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どうすりゃいいのよ?(1)アッパー店舗とお子様のご案内

更新日:2018年8月30日



こんにちは!ニシワキです。

最近、自店で食べるランチをすべて超大盛りの「フジヤマ盛り」にて注文しています。自称「おしゃれカフェ」のEMPORIOですが、がっつりメニューにも対応しています。ぜひご利用ください。(私にはフジヤマ盛りはちょっと多すぎるのですが、インスタ映えを狙った写真のため頑張ってます!)


銀座ウエストさんの炎上を振り返る

少し前になりますが、銀座ウエストさんが公式ツイートで子連れ客のマナーについて投稿し、ネット上で大きな話題となりました。「小さなお子様をお連れの喫茶室ご利用のお客様へのお願い」と銘打たれた投稿は「炎上覚悟で申し上げます」という言葉を添えて始まっています。

これに対し、ネット上では様々な意見が飛び交い、多くの意見はお店の見解を肯定していたように思います。入店の年齢制限の提案などが多数のユーザーから挙げられました。この後に続いたtweetも引用してみたいと思います。


最後に、この炎上の後味を悪くさせたtweetです(現在は消去されているようです)。


” 本日、障害をお持ちのお子様とご来店されたお客様より謝罪のメールを頂戴しショックを受けました。親御様の気持ち次第で制御可能なお子様連れの問題と、障害をお持ちの方のケースとは全く次元の違う問題で周りのお客様にもご理解頂けると考えます。今後とも引き続きご利用頂きたくお願い申し上げます。 ”


前二つのtweetに心を痛めたお客様へのお返事にしては異質です。大きな反響に動揺されたのでしょうか。「親御様の気持ち次第で制御可能」という言葉選びのまずさが、前後の発言(銀座※はお洒落をして来る特別な場所であってほしい→お客様の服装で差別するつもりはない等)の心象をひっぱり、炎上を長引かせたように思います。

※問題になった店舗はtweetの写真から推測するに青山店のようですが、銀座の矜持を語り始めてしまったのも、問題のピントがぼかしてしまったように感じます。

取り消された3番目のtweetは省略される事が多いようでしたが、TVにも取り上げられ大きな話題となりました。


多くのユーザーが不満に思っているのは、”騒いでいる子供”ではなく、それを沈静化できない、しつけが出来ていないのに、上等な店に子供を連れてくる親御さんに対しての批判が多いように見受けました。



5歳男児の父として、飲食店のオーナーとして。

私自身、5歳男児の父親なので身にしみて解りますが、子供は注意しても聞かない場合もありますし、親の意に反した行動を突然取るなどの予測不可能な部分もあり、親の役割も日々勉強だと感じています。もちろん、私達親のしつけや教育の仕方、忍耐力や人間性に拠る部分もあるとは思いますが、正直なところ、子ども自身が持って生まれた資質的なところもありますので、この問題を俯瞰した場合には「親が悪い!」の一言で済ませるのは難しい問題である事も理解できます。


店舗の立場からも考えてみます。落ち着いてゆっくりしたいから+特別な時間を過ごしたいから「こそ」、多少高いお金を払ってでもお客様に選ばれる、銀座ウエストさんのようなお店で私達が働いていたとします。お子様が何らかの理由で騒いでいて、あなたは他のお客様から不穏な空気を感じ取っています。保護者の方の対応は無く、あったとしてもその対応で期待した結果は得られなかった…。そんな時、我々は騒いでいる側のグループに対しても、それを不快に感じている側のグループに対しても、何らかの対策を打たねばなりません。やり方如何ではお店のファンを増やす事にも減らす事にもつながるでしょう。様々な配慮が必要です。

非力な飲食店のイメージ

飲食店は非力です。

騒いでいるのが大人あっても子供であっても、他のお客様が過ごすはずだった【本来の時間】への影響が大きすぎる場合には、お店として当然「注意」すべきです。ですが【店舗スタッフとお客様】の関係を鑑みると、お店側が注意するという身体表現はやや高圧的で不快に感じる可能性が非常に高いので、当然の配慮としてお客様に「お気遣いいただければ」というニュアンスで「お願い」するのが一般的な対応です。


その場で出来る事って、せいぜいその程度でしょう。それでも収まらない場合にはどうにかご退席いただくとか、他のお客様にスタッフが謝って周るとか、導き出される結果はご想像の通りあまり芳しいものではありません。

ここで題字です。


じゃ、どうすりゃいいのよ?

もちろん、お子様連れの入店をお断りする。というのもひとつの方法でしょう。しかしここは「トラブルから商機を探してみよう」という思考実験らしく、難易度の高い「アッパー飲食店と元気なお子様の共存」を考えてみたいと思います。



(1)すぐ出せます!お子様用メニュー

公式HPを見る限り、現状の銀座ウエストさんにはお子様メニューの用意はないようです。

例えば、お子様用に小さなフルーツジュースを低単価(あるいは無料)で提供してみてはどうでしょうか?

無論、お店の立地や雰囲気により、良し悪しはあると思いますが、親御さんの話を聞けない(=理解できる年齢ではない)ほど小さなお子様なら、ジュースを飲むのにもそれなりに時間を要するでしょう。飲んでいる時間は騒いだり走ったりするのは物理的に難しいですよね。お店側も、騒ぐ隙を与えないよう、注文があったらすぐに出せる準備をしておくといいかもしれません。

フードやデザートに関しても同様です。注文を頂いたら即提供できるタイプの商品をいくつかご用意しておくとよさそうです。


とは言うものの、お子様の食べるスピードと親御さんの滞在したい時間にはきっと差があるでしょう。日々の育児の最中、折角来たのだからゆっくりしたい、という気持ちも痛いほどわかります。そこで2番目。絵本などのお子様用アイテムのご用意です。


(2)絵本・塗り絵・Dobble…お子様が楽しめるアイテムのご用意

飲食店らしく食べ物に関係している本や図鑑なら、親御さんとの会話も弾むかもしれませんね。また、塗り絵や落書きができる色鉛筆やスケッチブックを置いても良さそうです。スケッチブック一冊を使いまわすのであれば、様々なお子様の作品が一冊に集まるので、きっと見る方も面白いでしょう。親子で楽しめる折り紙を置いているお店もありますし、お子様に興味を持って頂けそうなアイテムをひとしきり置いておくのは一考に価すると思います。


私の個人的なおすすめですが、小さなお子様でもすぐに遊べるゲームなどはいかがでしょう?Dobbleというドイツ発祥のカードゲームがあります。単純なゲームで簡単なルール、すぐに始められて、3~5分以内に終了できる、しかも面白いという優れものです。

こちらは活発に動き出す「魔の3歳児」くらいから遊ぶことが出来ます。当店にも置いてございます(様々なカードゲームのご用意有り!)ので、お試しいただきたいところです。

休憩時にカフェ店長と二人で。大人も子供も楽しめます。

しかし、賢明な読者の皆様のご想像の通り、ゲームが盛り上がりすぎると騒がしくなり、他のお客様のご迷惑となる可能性もあるのでくれぐれも注意は必要です。ですがこういったアイテムを複数揃える事で、スタッフの注意喚起・促し方にレパートリーを増やすことができるのが注目すべき点だと思います。


(親御さんがお喋りに夢中でお子様の所作に気付いていない場合を前提に)

お子様に直接伝えるのであれば「お店では騒いじゃダメよ。こっちに絵本があるよ?なにか見たいのない?」とか、「このゲーム面白いよ!」とか、他の事に注意を逸らすように。


親御さんにお伝えする場合でも「静かにさせてください!」ではなく、他のお客様の「本来過ごすはずだった時間」に大きな影響を与えている事に対して、絵本やゲームなどの「提案」で、気づいていただき、ご協力していただく可能性を追求する感じですね。


(3)言い方、クッション言葉、練習しよう

どうしてもお客様に直接注意(お願い)しなければならないような状況になった場合を想定して、出来るだけ高圧的にならないような、言い回し・文言・対応などをスタッフ間で共有し、練習しておくのも良いかもしれません。

  • 「おそれいります」

  • 「申し上げます」

  • 「お怪我をなさらないように」

  • 「(お子様や保護者の方も含めた)皆様にお楽しみ頂きたいので」

  • 「ご協力いただけませんか」

などなど…。所謂クッション言葉というやつの一種ですが、飲食店の立場からすれば、どれも嘘ではないはずです。


最後に。

こういった「予測可能な問題」に関しては、事前の準備が無用なトラブルを減らすのだという意識を常に持つのが大切です。勿論そこには、店舗の方針や立地条件、またはそれに伴うコストという部分も深く関係してきますので、正解はこれだ!とは一概に言えません。


そして残念な事に、様々なご提案をしても聞く耳を持ってくれない方や、お金を払うんだから何しても良いと考えている方、周囲の迷惑などまったく気にしていない方も中にはいらしっしゃるかもしれません。どうしようもない場合には、毅然とした態度でお店の意見を伝える必要がある場面も出てくるでしょう。


そういうケースバイケースにおいての対応は、お店の責任者さんの判断に任せるところかと思いますが、そこまで至ってしまわぬよう、シミュレーションしておくに越した事はないですし、できる限りの策を講じておきましょうね。


と、この話題から飲食店が学ぶ事はこのような感じだと思います。


炎上(トラブル)から学ぶ事は多く、

お子様連れのお客様だけに限らず、様々な属性のお客様にそれぞれしっかりと、居心地の良い時間と満足を感じていただく事ができれば、きっとお店の売上に反映するでしょう。難しい問題だから、とか、それぞれの親が頑張ればいいと片付けるのではなく、お店として出来る限りを検討し、実施して行く事により、より良いお店作りができるのではないか?と考えます。日々精進ですね!

では、またー!



 

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