体験型レストラン(特別な経験)からの考察(2)

最終更新: 2018年9月28日



前回「体験型レストラン(特別な経験)からの考察(1)」の続きです。

「より特別な体験」はビジネスとしても「より優秀」かどうか

飲食店で食事をする行為そのものが体験であり経験なのですが、この話で重要な点はその非日常性や特別性にあります。

さて、表題の「より特別な体験はビジネスとしてもより優秀なのかどうか」について、しょっぱなから結論を申し上げますが、

その特別度に対して十分な”対価”をお客さんが支払ってくれるなら有り!

そうでもないなら、特別さを追求し続けるのもどうかと思いますよ。って感じです。


何故なら、空間演出も、立地条件も、サービスも。他店との”違い”を明確に打ち出せるほどに特化するなら、非常にコストがかかってしまう事が多いからです。まぁ、当然といえば当然です。特別さ、差別化、非日常を演出するためには「お金」がかかるのです。



(比較的)コストのかからない特別感の演出基準としての流行はやはり「インスタ映え」でしょうか。

コストのかからない差別化だってあるはずだ!と思いたいのも分かります。ただし【コストのかからない”差別化(演出)】というのは、どこのお店も日夜考えを巡らせて日常的に行っているはずですし、それは日々の【改善】の延長線上にあるものです。その程度の差別化では、お客様からは「特別!」とまで思っていただけるでしょうか。


どの程度、どのあたりの「特別」を目指すか?

となると。飲食店たるもの常に”差別化”を意識すべきなのは理解できますが、さて、どの程度、どのあたりで?というのが問題になってきます。

ここから先は、お店の業態やスタイル、客層(ターゲット)などにもよって様々な戦略があると思いますが、お客さんとお店がWin-Winになるような「特別さ」を追求する事が、ビジネスとして優秀であると考えます。




道とん堀は「かかるコスト」を「体験の特別さ」で打ち消した理想的なスタイル


一例をあげると、前回に書いた「道とん堀」さんのような、お客さん自身が調理するスタイルの「特別さ、演出、体験」は非常に的確な戦略と言えます。

お好み焼きを食べる時に一番時間がかかるのが「焼く」という作業です。 これを通常の飲食店のオペレーションで考えると、下準備から焼成、盛り付けまでお店のスタッフが行います。当然ここには人件費という”コスト”が発生します。1枚焼くのに6分必要だとして1日あたり100枚焼いたら合計600分(=10時間) 時給1000円なら1万円/日のコストです。



つまり、それだけで年間360万円のコストが必要という事になり、それは営業し続ける限り必要となってくるものです。さらに言うとお客さんの注文数がそんなにない時でさえ、人件費は発生しますので「固定費」となってお店の負担になります。


一方、そのコストをお客さんに背負ってもらった場合はどうでしょう? もちろんお客さんは人件費を負担するのではなく、焼くという”手間”を負担する訳ですが、それは「仕事」でしょうか?それとも楽しい「経験」でしょうか?ここが大きなポイントです。

スタッフやお店にとっては、「仕事・労働」という扱いになる作業そのものが、お客さんにとってはとても楽しい「経験・体験」になる。

これは完全に、Win=Winの関係です。お店は人件費を抑えられますし、お客さんは楽しく食事ができる。自分好みにアレンジもできるかも。そのために必要になってくるのが、各テーブルに鉄板焼きの設備を導入するという「コスト」です。

そのコストは初期投資に入ってくる部分ですが、先ほど計算したように、焼くという作業だけのコストも長期で見ると結構な金額になる事は解っているので、それを天秤にかけて計算する。と、いろいろと見えてくるかもしれません。もちろん、コストの計算だけではなく、演出やお客さんの楽しさなど、いろいろな面を考慮して下さいね。


特別な経験をしてもらう「コスト」と「楽しさ」と、それを楽しみたいと思うお客さんの頻度「リピート回数、率、頻度」をよーく考えて、お店の差別化やウリを明確に打ち出して行きたいところです。


特に、お店のコストがお客さんの楽しみに繋がるようなポイントを見つけることができれば収益にも繋がる確率が上がるでしょう。今までもこれからも「差別化」という言葉は頻出するのですが、上記と照らし合わせながら、中身を十分に検討して頂きたいなと思います。


では、今日はこのへんで。



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