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開業までの道のり(5)ブランディング戦略を立てる前に

更新日:2018年9月7日

続きです。前回のエピソード【(4)出店資金の検討をつけ事業計画を立てよう】はこちらからどうぞ。


ニーズを満たせば売れる時代は終わり

現代のマーケティングにおいて、ブランディングは最も重要な要素です。少し昔は、消費者の「ニーズ」を満たすものが売れる商品だったのですが、今、この現代のニーズとは何でしょう?私は勿論、日常生活を送る人の大半は、衣食住含め、多少の不満はあっても、命に関わるような問題は少なく、常にある程度満たされているのではないでしょうか。


私達人間はご飯を食べないと生きていけません。人にとって食はささやかで、しかし確実な「ニーズ」と言えます。

レストラン・居酒屋・ファミレスなどのイートイン業態から、コンビニやマクドナルドのようなテイクアウト業態まで、食のニーズを満たす競合は山のようにあり、その中で我々が飲食店として生き残るにはお客様に選んで頂かないといけません。

お客様が「あなたのお店を選択するだけの理由」が、重要な時代に突入しているということです。簡単に言うと差別化です。


ブランディングというのは、ブランドを構築していく作業という事ですが、 まず、ブランドとは「お客様との信頼関係=信用」と定義します。 さて、あなたのお店はお客様に対し、どのようなお店として”信頼関係”を構築したいでしょうか? 安くておいしいお店、 リーズナブルでフレンドリーなお店、健康に良い、美味しい、楽しい、便利、などなど。信頼関係の中身にもいろいろあります。その方向性を決めた上でお店がウリにしたい部分への「お客様からの信頼」を少しずつ構築し積み重ね、認知していただく事がブランディングという事になります。

このように、ブランド、ブランディングとは、 高級店だけのものではなく、どのような製品やサービスであっても必要なものです。とかく厄介ではありますが、成功時の見返りも、かなりのものになります。もちろん、何をもって成功か?というのも、人や店によりますが…。


飲食店ブランディングの屋台骨は「信用」

しかし、ここで一度立ち止まってみたいと思います。ブランディングという言葉に振り回されて、大事なことを忘れているお店を見かけることが時折あるからです。カフェ、ひいては飲食店において一番の魅力はやはり、「おいしい」であってほしいと思います。

「ブランド」はイコール「信用」です。最低限満たされるべきルールや品質は当然ながら、価格に応じた、またはそれ以上のパフォーマンスが発揮できると信じられる。という意味でもあります。その信用の屋台骨、「安心・安全・おいしい」を実現できてこそ、ブランディングのスタートラインに立ったと言えるでしょう。



あなたのお店に来店するお客様が、あなたのお店の情報をすべて持っているわけではありません。つまり、お客様が「知っている」ことと、「そう思うこと」とは別のことであり、

ブランディングとはお客様が「そう思うこと」にたいして、「こう思って下さい」と、発信することでもあります。

しっかりとした屋台骨を背景として、どこが他の店と違い、どこが記憶に残るのか?が考え抜かれて提供される商品やサービスが、ブランディングの中核になります。


カフェ(飲食店)というイメージが重視される業態と、とことん専門化された業態とは、ブランディングの考え方も戦略も異なりますが、ブランディング=信用を築く。ということはどちらにおいても変わりないと思います。



「消費者により良く思われたい」のせめぎ合い

さて。ブランディング戦略のコツ。お店側の立場を少し意地悪に書いてみたいと思います。

  • あいまいな表現方法(虚偽ではない)をどれだけ上手に用いて、消費者により高いブランドイメージを持ってもらうか?

  • 店が発信する情報を消費者にどうやって伝達していくか?

費用をかけて大々的に広告宣伝できない中小企業や商店なども、ブランドの価値を向上させるためには、この2点をしっかりと考えて、戦略的に展開していく必要があります。


しかし、ブランドイメージと商品が相応の内容であることは当然必要で、万が一虚偽のイメージを持たせ、現実が伴っていないことが知れた場合には、謝罪や、場合によっては回収、休業などのとてつもないコストが発生することになりかねません。


ブランディングは人間関係と同じ。決して短期間で出来上がるものではなく、長い時間をかけ少しずつ築いていく「信用」です。偽りが発覚した場合には一瞬で「信用」は崩れ去ってしまいます。消費者により良く思われたい。本来の姿よりも、少しでも良く見せようと、ブランドも人も努力するわけですが、そこに虚偽があってはならない。というのが本質です。



 

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